ディスレクシアのためのPCモニター!?
この記事は、2024年1月に公開されたこちらの記事をもとに書いています。
フランスのスタートアップ企業Lili for Lifeは、2024年のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、ディスレクシアの人々がPC作業をしやすくするために設計された「Lili Monitor」を展示しました。同社はこれを「ディスレクシアに優しい初のPCモニター」としています。
ただし、ディスレクシアといっても、特性や困りごとは一人ひとり異なります。このモニターは、どのような人に、どのような仕組みで役立つのでしょうか。
パルス光技術をモニターに搭載
Lili Monitorには、Lili独自のパルス光技術が採用されています。メール、学習、娯楽などでPCを使う際、読書を快適にし、疲労を軽減することを目指したものです。
では、パルス光をモニターに搭載することで、どのように読みの負担を軽減するのでしょうか。
その仕組みが説明される前に、このモニターは、ディスレクシアのあるすべての人ではなく、特定の見え方を持つ人を対象としていることが述べられています。
「二つの優位な目」とは?
元記事では、対象となるのは「二つの優位な目」を持つディスレクシアの人だと説明されています。
同社によると、通常は左右どちらか一方の目が優位に働きますが、一部のディスレクシアの人では両目が優位になり、読書中に脳内で画像や文字が重なって見えることがあるとされています。
テキストを読むとき、一方の目が主に単語を捉える役割を担います。両目が同じ作業をしようと競合すると、文字や単語が移動したり、順序が崩れたりするように見え、読書やスペリングに困難が生じる可能性がある、という説明です。詳しくはSchoolVisionの解説も参考になります。
ただし、この考え方がディスレクシアのあるすべての人に当てはまるわけではありません。
優位眼による見え方を体験するには、遠くの物体を指さし、左右の目を交互に閉じて見てみる方法があります。指や物体の位置が動いたように感じることがあります。もし読書中に似たことが起きれば、文章の中で読んでいる位置を見失ったり、文字が安定せず、新しい単語やスペルを覚えにくくなったりする可能性があります。
パルス光で、文字が重なって見える現象を調整
Lili for Lifeは、肉眼では見えない光の点滅を利用して、重なって見える「ミラーイメージ」を調整すると説明しています。文字の視覚的な認識にわずかな時間差を生み出し、重複した像を減らす仕組みです。これにより、読書がより滑らかになり、疲れにくくなると同社は述べています。
一方で、元記事ではbとdを反対に認識するようなミラーイメージにも言及していますが、文字の反転には視覚だけでなく、脳の情報処理など複数の要因が関係します。この点は、製品側の説明をそのまま一般化せず、慎重に考える必要があります。
2024年1月の元記事の時点では、この製品は日本での販売予定がなく、イギリスで予約注文が可能とされていました。
まとめ
- 一部のディスレクシアの人にとって、文字を見やすくすることを目指したPCモニターである
- 対象は、読書時に両目が優位になるとされる人
- パルス光によって文字の視覚的認識に時間差をつくり、重なって見える像を減らす仕組み
- すべてのディスレクシアの人に効果があるわけではなく、製品側の説明を慎重に見る必要がある
- 販売状況は元記事公開時点の情報である
※本記事は製品の効果を保証するものではありません。見え方や読みづらさが気になる場合は、必要に応じて専門家へご相談ください。