deskをdesukuと書いてしまう。ローマ字読みから脱却するには。
「英単語deskを見て、“デスク”と読むことも、机を意味することも分かっている。でも、書かせるとdesukuになる」
「テスト前日に英単語を30回紙に書いて練習したのに、テスト当日にはローマ字読みでdesukuと書いてしまう」
中学1年生ごろの英語学習では、このような間違いが見られることがあります。
ほかにも、次のような間違いが繰り返し見られることがあります。
こんな間違いはありませんか?
| 本来の単語 | 書いてしまう例 | 考えられる影響 |
|---|---|---|
| desk | desuku | 「デスク」の母音を足してしまう |
| milk | miruku | 「ミルク」をそのままローマ字化する |
| school | sukuru / scool | 「スクール」の影響を受ける |
| club | kurabu | 「クラブ」の影響を受ける |
| sport | supotu | 「スポーツ」の影響を受ける |
| tennis | tenisu | 「テニス」の影響を受ける |
| restaurant | resutoran | 「レストラン」の影響を受ける |
| orange | orenji | 「オレンジ」の影響を受ける |
ローマ字と英語は、同じアルファベットでも読み方が違います
英単語のつづりのルールとローマ字のルールは異なります。小学校で習ったローマ字の知識を、英単語のつづりと読みのルール(フォニックス)へアップデートする必要があります。
例えば、deskという単語で考えてみましょう。
deskを日本語らしく言うと「デスク」となります。「デ・ス・ク」という日本語の音を、すでに知っているローマ字のルールで表せば、de-su-ku、つまりdesukuと書くことができます。
日本語では、子音と母音を組み合わせた音が多く使われます。そのため、英語の子音だけの音にも母音を加えてしまうことがあります。
これは、子どもが適当に書いた間違いではありません。日本語の音を聞き取り、小学校で習ったローマ字の知識を正しく使った結果です。ただし、使っているルールが「英語のルール」ではなく、「日本語をアルファベットで表すルール」なのです。
英語のdeskは、日本語の「デ・ス・ク」と同じようには発音しません。英語では、この単語を4つの音に分けて考えることができます。d、e、s、kが表す音を左からつなげるとdeskになります。最後のkの後ろに、日本語の「ク」に含まれるような母音uはありません。そのため、正しいつづりはd-e-s-kであり、uは付きません。
ここで必要なのは、これまでに覚えたローマ字の知識を否定することではありません。「日本語をローマ字で書くときのルール」と「英語を読むときのルール」は別物だと知り、文字と音の知識をフォニックスのルールへアップデートすることです。
しかし、学校や使っている教材によっては、この違いや文字と音の関係を体系的に学ぶ機会が十分でないこともあります。読み方の仕組みを知らないまま、英単語を何回も書いて覚えるよう求められている子もいます。その状態で練習量だけを増やしても、desukuという同じ間違いを繰り返すのは不思議ではありません。
文字と音のつながりを比較的自然に身につける子がいる一方で、文字とそれに対応する音を結びつける力が、まだ十分に育っていない子もいます。英国ディスレクシア協会は、人口のおよそ10%がディスレクシアであると推定しています。ただし、desukuのような間違いが一度あっただけで、ディスレクシアだと判断することはできません。同じ種類の間違いが何度も続く場合は、単なる練習不足と考えるのではなく、文字と音の結びつきを一つずつ確認していく必要があるかもしれません。
このような子には、まずフォニックスのルールを学び、それに慣れる練習が必要です。英語の音と文字を直接結びつける経験を積むことで、毎回カタカナやローマ字に置き換えなくても、少しずつ自然に英単語を読んだり書いたりできるようになります。
この切り替えをはっきり教えられないまま、「単語を見て覚えましょう」「10回書きましょう」と言われても、子どもは自分が知っているローマ字読みを使い続けてしまいます。特にディスレクシアなど、音と文字を結びつけることに負担がある子にとっては、「見て覚える」「何度も書く」だけでは十分でないことがあります。
ただし、英語には規則から外れる単語もあり、すべてのつづりをフォニックスだけで説明できるわけではありません。
ローマ字読みから脱却し、本来の英語の文字と音の関係を学ぶ。学び方を変えることで、英単語の読み書きにかかる負担を少しずつ減らしていくことができます。
このブログでは、英語の読み書きに悩むお子さんのために、英単語の「文字と音のルール」と、家庭や指導の場で使える練習方法を紹介していきます。
参考資料
- What Works Clearinghouse, Foundational Skills to Support Reading for Understanding in Kindergarten Through 3rd Grade
- Galuschka, K. et al. (2020), Effectiveness of spelling interventions for learners with dyslexia
- Ehri, L. C. et al. (2001), Phonemic Awareness Instruction Helps Children Learn to Read
- British Dyslexia Association, Dyslexia Factsheet