DYSLEXIAディスレクシアについて
ディスレクシアとは
ディスレクシアは、知的能力の低さや勉強不足が原因ではなく、 脳機能の発達に問題があるとされています。 全体的な発達には遅れはないのに文字の読み書きに限定した困難があり、 そのことによって学業不振が現れたり、 二次的に学校不適応などが生じるという特徴があります。
参考出典元https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/007.html
国内外の機関が示す
ディスレクシアの特性
- 01勉強の成果が得づらい
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一般的な学校教育環境下では、勉強の成果が得づらい、言い換えると、個人に合った適切な方法でなら学ぶことができる。
- 02低い自己肯定感
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ディスレクシアのある学生は、しばしば自分を「無能」と感じ、実際の能力よりも劣っていると自己評価しがちである。
- 03音素処理の課題
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単語内の個々の音(音素)を認識することが苦手で、言語の記憶や言語処理速度等に問題があるという特徴があげられる。
- 04生涯を通して影響
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一般的な学校教育環境下では、勉強の成果が得ずらく、読み書きやスペル、計算などの学習において困難を経験することが一般的です。
- 05困難や苦労の程度は異なる
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ディスレクシアは白黒で判断できるものではなく、スペクトラムとしてグラデーションのように個々に現れます。
- 06様々な側面に現れる苦手なこと
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言語能力、手先の器用さ、計算能力、集中力、自己管理能力(提出物を期限までに出すなど)など、様々な側面の困難が併発する。※これらは単独で現れる場合はディスレクシアを示すとは言えない。
- 07研究・解明の途上
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ディスレクシアの原因はまだ完全に解明されていないが、ディスレクシアの脳とそうでない人の脳を比べると脳の発達と機能に違いがあることが分かっている。
ディスレクシアの人が
得意なこと
ディスレクシアは学習困難(障害)として一般的によく知られ、彼らが苦手とする一面だけにフォーカスされがちです。しかしコインにも裏表があるように彼らには苦手とする能力がある一方で得意なことも複数あります。それらには個人差があり、複数の得意分野を持つ人もいれば、一つのみという人もいます。
例えばこんな得意分野があります!
- 対人
スキル - 空間認識
能力 - 創造性と
想像力 - 問題解決
能力 - 芸術的
才能
英語ディスレクシアとは?
日本語を読むときには特に困難がないにも関わらず、英単語や英文が読めない等、英語を学び始めることによってディスレクシアに気付くお子様もいます。これは英語の言語的特徴とディスレクシアが苦手なことがマッチしているために起こります。
このような特性は「英語ディスレクシア」と呼ばれることもあり、英語圏でのディスレクシアの発生率を考慮すると、日本にも英語ディスレクシアの生徒さんは全体の1割以上いるであろうと考えられます。
- 英単語のスペルが覚えられない、簡単な単語でも同じ間違いをする。
- 英単語を読むことができない、または時間がかかる。
- リスニング・スピーキングより、リーディング・ライティングが苦手。
- 他の教科に比べ英語が特に苦手。
この原因としては、ディスレクシアの特徴の一つである単語内の音(音素)を認識する力や音韻処理能力(文字と音を結びつける能力)が弱いことが考えられます。このタイプのディスレクシアの生徒さんにとって、音の単位が細かく、音と文字の対応に例外が多い英語学習に苦労が伴うことが多くあります。
- さかな = さ・か・な
- 普段あまり意識することはないですが、日本語の場合、ひらがな一文字に対して一つの音が対応しています。
- fish = f(フ)・i(い)・sh(シュ)
- 英語の場合はアルファベット一文字に一つの音が対応したり、アルファベット2文字(ダイアグラム)で1つの音に対応する場合もあります。また、sは単体でス(息だけの音)、hはハー(息だけの音)と読みますが、shになるとシュという読み方に変わります。(分かりやすいようにカタカナで読み方を表していますが、授業で発音を表すときにカタカナを用いることはほとんどありません。)
フォニックスにて英単語を
覚えやすく?
音韻処理が苦手なタイプのディスレクシアは、フォニックス(文字と音の対応ルール)を学び、定着させることで一つ一つの単語のスペルを覚えなくても、音を聞いてアルファベットへ変換し、英単語を綴ることができます。このルールは全ての単語に適応するわけではありませんが、約50パーセントの単語はフォニックスのルールが適用されます。残りの50パーセントのうち36パーセントの単語もある1音(ほとんどの場合母音)を除いてフォニックスのルールが適用されるので、この方法で英単語を読んだり綴ることが可能となります。